東大寺、奈良の大仏さんで有名なのが毘廬舎那仏で、この仏様が、大日如来の前身です。
大日如来の御徳は、
第一に、「除暗遍明」悩みや苦しみを照破する。
第二は、「光無生滅」その知恵の光明は、永遠不滅に常に輝いている。
第三は、「能成衆務」慈悲深く生きるものへの育み続ける生命の、身親である。を表し、
密教【秘密仏教、日本では真言宗と、天台宗の一部の教義など】の体系の本尊とし、他の諸仏、諸菩薩は、この如来の化身であると説かれます。

厳密に云うと、大日如来は、二種類おられます。
ひとつは、「金剛頂経」に説かれ、金剛界曼荼羅に表される金剛界大日如来。
ひとつは、「大日経」に説かれ、胎蔵法曼荼羅に表される胎蔵大日如来です。
一般にはあまり知られておらず、難しい仏さんのように思えますが、平たくいうと金剛界が表で、胎蔵法は裏、地球上に男がいて女がいます、凸があれば凹がある、加えるものがあれば持つものがあるように、全て二つあっても、実は一つのものであることを、仏さんの世界で表しているのです。

この大日如来のお姿は、金剛界大日如来の場合、肉色は白で手は智拳印【忍者でお馴染みの、その場から消えるときに結ぶ印】を結ばれ、蓮華座の上に結跏趺坐・けっかふざ(座禅や瞑想の場合の座り方で、仏教においてもっとも基本的な坐法)し、頭部には五仏宝冠・ごぶつほうかん を戴く。
一方、胎蔵大日如来は、黄金色の肉色で、法界定印【座禅で結ぶ印】を結ばれ、同じく蓮華座の上に座り、五仏宝冠を戴く。
この二種類の大日如来を、真言宗では本尊としています。

原始仏教の中には、「仏陀が世に出ようと出まいと、心理【法】自体は常住である」と説く教典は少なくありません。釈尊の悟りの内容を明らかにし、成り立たせた宇宙の心理を、密教では仏と見なしたのです。
解釈は分かれるところですが、わかりやすくいえば、お釈迦さんが生涯にかけて教え説いたものは、釈尊の悟り、つまり心理の一部分で、全体を網羅していません。

その説き残したことも、全て包んで、宇宙の心理として教義に取り込み、仏教の枠内に入れる為、大日如来という、新しい仏さんが、考え出される必要がありました。
大日如来は全ての生物、人間、動物、植物、など、生きとし生けるものに宿っておられる仏様です。

その仏性を全ての人が、持ち合わせていますが、それに気付き、生活の中で、それらが発揮されることが、法の、み教えです。

人間は生まれたままで、仏である、だからこそ仏として、どう人とお付き合いするか、また、生活を営んでいくかを考えなければなりません。
生まれたままで、仏である。
しかし、そのままで良いというのではなく、本物の人となる為に、第二の誕生である、
発心【仏のような広々とした温かい心を起こすこと】が必要です。

人は犬や猫ではないのですから。

 

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