ご先祖供養の一つの切り口ともいえる三十三回忌を司るのが、虚空蔵菩薩で、十三仏信仰の最後を飾る仏様です。
この菩薩様は、広大無辺な知恵を授けてくださり、宝物を生み出すということで、虚空【空中】の蔵という名前をお持ちです。

その由来は、虚空が何者かによっても破壊することができないほど、すべてに勝っているように、優れた無量の法宝を所蔵し、それらを自在に用いて、衆生に幸福を授ける菩薩だということからです。
その功徳とは「仏説如意虚空蔵菩薩陀羅尼経」によると、
「もし、善男善女あって、毎朝、明星出ずる時、至心に声をささげて、この真言を念誦し、礼拝すれば、求むるところの所願みなことごとく如意【意の如く】円満す。」とあります。
虚空蔵信仰は、衆生だけでなく、僧侶の間でも、先の奈良時代に日本に伝えられ、一種の記憶増進法として「虚空蔵求聞持法」が修法されました。
弘法大師が青年時代に、勤操大徳より伝授され、修行されたことは有名であります。
その修行とは、本尊虚空蔵菩薩に向かい、真言を一日一万遍お唱えし、その印を結んで、精進潔斎して、百日間修行するのであります。
この菩薩様のお姿は、時代やところによって多生異なりますが、右手に、正しい知恵を表す利剣を持ち、
左手には、福徳を表す宝珠を持たれています。
真言は「ナウボウ・アキャシャラバヤ・オン・マリキャマリボリ・ソワカ」
という舌をかみそうな難しい御真言なので、これを覚えてすらりと唱えられるようになれば、諸仏のご加護を頂けることでしょう。

その意味は「大いなる知恵と福徳をもてる虚空蔵菩薩よ、その頭にある華慢の如き、福智を与えて、悟りの境地に導き賜え」
ということです。信仰の原点でありましょう。

 

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