一番知名度の少ない如来ではありましょうが、信仰心・菩薩心という基本的で寛容なところを説かれている仏様で、大乗仏教の初期に考え出されたのです。
それぞれ十三仏の仏様は、多種多様の御利益を施され、私たちを守って下さいますが、人は物欲や金銭欲だえkを求めて、目先の楽や便利さ、功徳、御利益だけを戴こうとします。
阿閃如来は、そういった人たちに、功徳や御利益を望む前に自己の心を清浄にし、本来の心の安らぎである菩薩心を持つことが大切だと説く仏様です。
このように地味ながら根本的な教えであるからして、現代人の中に、あまり知られていない仏様になったようです。
ここでいわれる「菩薩心」とは、弘法大師が説かれるところによると、「勝義・行願・三摩地」と三種になり、菩薩心を起こし、菩薩行に精進することにより、即身成仏という本来の最終目的である、御利益を頂けると説かれるのです。

そのひとつ「勝義」とは、貪りの心、嫉みの心を排し、痴の心に溺れず、正しい知恵の心を持つこと。

「行願」とは、菩薩行を精進することで、他人に対して、慈悲の心で接すること。
「三摩地」とは、仏様と同じ悟りの生活をすることの三つです。

阿閃如来は、物事に動じず、腹を立てないという意味がありますが、大凡、人は怒らずに一生を過ごすことはありません。
しかし、子供を叱るときも、感情のまま怒るのではなく、冷静に情を持って叱ることが大切です。つい感情のまま怒りますと、人は後で、必ず後悔するものでもあります。
そういった、人の心の一番底にある感情を、よい方向へと導かれる仏様なのです。
阿閃如来の御真言の意味は、「どうぞ私が怒りの心を離れて、悟りが開けるようにお導き下さい」ということで、”カッ”となりやすい方は、心の中で「オン・アキシャヴァ・ウン」と御真言を唱えて心を冷静にし、生活を営まれてはいかがでしょうか。

 

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